軌道に乗ったら個人から法人へ!

建設会社で職人として、又は管理者としてがんばって、そして独り立ちし個人事業主として様々な現場を請負、信頼を得てきたあなた。仕事も軌道に乗ってきた中で、「そろそろ株式会社にしたほうが良いかな?」と考えるときがあるのではないでしょうか。

現場にいると、個人事業主として経営をされている方から、法人にしたらどんなメリットがあるのか、どのタイミングで法人にしたら良いのか、というご質問をいただくことは多いです。ここからは、法人化のメリットやタイミングについてお話させて頂きます。


株式会社等の法人にするメリットとは?

メリット1.信用が断然違う!

 株式会社・合同会社等の法人は法務局に登記され、誰でも登記事項証明書を見れば登記されている情報を知ることができます。
 一方、個人事業はそのようなものはなく、透明性のある会社形態の方が信用面に勝ります。

例えば、日本における有名な会社の多くは株式会社であるため、「株式会社」と会社名につくだけでも一般の方々に安心感をあたえます。また、取引や契約の場面でも施主様や相手企業に社会的信用と安心感を与えることができます。

また、合同会社として設立することを選択肢として考えてみるのも良いでしょう。株式会社と比べると、知名度は劣るものの、Apple Japanなどメジャーな会社が合同会社であることなどから、知名度も上がってきていますし、設立費用が抑えられ、面倒な役員変更や決算公告がいらない、というメリットも捨てがたいでしょう。

 どちらにせよ、これらの信用面の高さは、取引面だけではなく、業務を拡大していく中で必須となる求人による人材確保の面からいっても、とても重要な要素であることも法人化のメリットといえます。

メリット2.有限責任である

 個人事業の場合、事業に失敗すれば、個人の預金、住んでいる家や土地などを処分して負債(借金)に充当しなければなりません。 負債に対しては無限に責任を負わなければいけないということです。

しかし、会社の場合は、万が一倒産しても経営者個人は責任を負いません。
法律的には会社と個人は別人格とされていますので、株式会社や合同会社の場合、個人が責任を追及されることはありません。
 御自身が出資した資本金や貸し付けていた金銭が戻ってこないだけで済みます。

但し、小さな会社の場合、金融機関からの融資など会社の債務に社長個人の連帯保証を求められるのが一般的です。
社長個人が連帯保証人となった場合、金融機関からの借入に対しては責任を負う覚悟が必要となります。

しかし業務を行う上での仕入などの契約では、保証人になっていない限り「会社(法人)との契約」となりますので、万が一会社が倒産してしまったとしても、経営者には支払の責任が生じないことになります。

 

 日頃の売り掛け等の債務が免除される分、結果として個人事業主と比べて負担が軽くなり、再出発もしやすくります。

メリット3.手厚い社会保障を受けることができる!

 会社を設立して社会保険(健康保険と厚生年金保険)に加入することで、老後の年金や万が一の場合の傷病手当の金額を大きくランクアップさせることが可能です。

 例えば老後の年金を例に取ると、個人事業主は「国民年金」に加入します。
国民年金に20歳から60歳まで40年間加入しても、老後にもらえる年金額は年額78万円(月々6万5000円)ほどにしかなりません。

 会社経営者の場合はどうかというと、会社の経営者はサラリーマンと同じ「厚生年金」に加入します。

例えば32歳で会社を設立されて、毎月の給料(役員報酬)を40万円に設定すると、老後にもらえる年金額は年額179万円(月々約14万9000円)です。

 会社を設立して給料をもらうだけで一桁もらえる金額が変わってくるのです。

 

この他にも、従業員も社会保険がしっかりとしている「会社・法人」に募集が集まる傾向がありますので、よい人材に巡り会える可能性も高くなるメリットもあると言えるでしょう。

 

 また、会社員や会社経営者が加入することになる健康保険には傷病給付金や出産給付金などの手厚い保障もあります。このような手厚い社会保障も会社設立のメリットだと言えるでしょう。

メリット4.事業経費として認められる範囲が広い!

 個人事業の場合、必要経費が会社ほど認められないケースがよくあります。これは、どこまでが個人で使用したもので、どこまでが事業で使用したものなのかがはっきりとしないためです。

 しかし会社では、個人と会社が経理上も明確に区分されるため、個人事業では認められない経費が認められます。

 たとえば、自宅を事務所(事業所)にすると、一定の条件のもとで住宅費や光熱費は経費で落とすことができますし、生命保険の場合でも、個人の場合には、5万円までしか経費として認められないものが、会社では医療保険やガン保険等貯蓄性がない掛け捨てタイプの保険は原則全額経費として認められます。

 

 また、自動者を個人事業主が事業用として購入した場合、特別の事由がない限り全額経費として認められませんが、法人では全額経費として認められます。

 個人事業経営者の退職金は認められませんが、会社では経営者(社長)の退職金まで経費として認められているのです。

 

その他、代表者個人の持ち物である自動車やパソコンを会社に貸し付け、リース料を取ることも可能になります。

節税と法人化のタイミング

 ご紹介してきたように、法人化には魅力的なメリットがたくさんあります。しかし、法人化のメリットはそれだけではありません。ここで伝えたい、最大のメリットは所得が増えれば増えるほど個人事業よりは会社のほうが税金面で優遇されていく、ということです。

 

 目安として、個人事業での年収が500万円を超えているならば、会社を設立されて「社長」として給料(役員報酬)をもらった方が得だといえます。
「毎月40万円ぐらい自分の懐に入れれるな」と考えている方ならば会社設立した方が良いということです。

 法人化のタイミングについて私がお勧めする場合は、税金面で逆転するこのタイミングをお勧めします。


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